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このホームページは車内月刊誌プリーズをもとに制作されています。
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| ずっと映画の現場に関わっていたい。 〜永瀬 正敏インタビュー〜 |
2004年11月 |
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―銀幕の中の侍は、さほど強く見えなかった。月代(さかやき/頭のてっぺん)には無精ひげのようにチョボチョボと髪の毛が生え、羽織はほころびていたりする。『たそがれ清兵衛』に続く、藤沢周平原作による山田洋次監督の新作『隠し剣
鬼の爪』は、そんな侍が主人公だ。演じるのは、永瀬正敏さん。侍の役は、この映画が初めてという。
「役を頂いたのはもちろん嬉しかったんですが、不安もいっぱいありました。まったく初めての経験ですから、周りの人に迷惑をかけるのではないかと心配したり」
―撮影に入る前に準備期間をとり、本読みと合わせて、殺陣の稽古、方言や所作の指導などを受けた。そして、クランクインすると自ら申し出て、髪の毛を五分刈りほどに剃り落とし、周囲を驚かせた。
「初めての役なので、そういうところから入っていかないといけないと思いまして。ところが、監督がわざわざいらして、『いったい、どうしたんだ!?』みたいなことになってしまって、逆にこっちが(お騒がせして)スイマセン!って感じでした」
―永瀬さんは宮崎県都城市の出身。高校1年生の時「青春の思い出に」という気持ちで応募した映画のオーディションに合格し、いきなり映画デビューを果たした。以来、外国人監督の作品に出演するなど国際的にも注目を集め、'91年には山田監督の『息子』で、日本の映画賞を数多く受賞する。
「一本目の映画は無我夢中だったんですが、クランクアップの日に『このまま終わらなければいいな』と思って、それが今でもずっと続いている感じです。山田監督からは、映画に対するすごく深い愛情を感じます。細かいところまで、妥協点が一つもないんですね。そういう姿勢を現場で見ていると、僕らやスタッフも『ついて行こう』って思いますよね」
―『隠し剣 鬼の爪』は幕末の北国に生きた人々を描いた物語である。全編を流れるたおやかで上品な東北(庄内)弁の台詞と、出てくる人々の立ち居振る舞いやたたずまいが美しい。
「京都の撮影所には、時代劇のベテランスタッフの方が沢山いて、さりげなくアドバイスを頂いたりして非常に助かりました。山田監督は、レンズの隅に映っている方にもきっちり芝居をつけられるので、全体的に締まった場面になるんでしょうね」
―実は撮影に入る前、永瀬さんには一つだけ心に引っ掛かるものがあった。映画のモデルとなった庄内藩は、幕末の戊辰戦争で官軍・薩摩藩と戦った史実がある。
「都城といえば当時の薩摩藩なんですね。そんな人間が庄内の侍を演じるのは、地元の人に怒られるんじゃないかという心配があったんですが、撮影前に庄内の郷土館に行くと西郷(隆盛)さんの書が飾ってあるんですよ。よくよく話を聞くと、庄内藩の戦いぶりの潔さを西郷さんが賛美して、降伏した後、誰も咎めなかったらしいんです。だから庄内では西郷さんはヒーローになっていて、その話を聞いてホッとしました」
―こうして、胸のつかえが取れた永瀬さんは、つましくも芯の強い北国の侍を見事に演じ切っている。
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永瀬 正敏 |
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1966年宮崎県出身。'83年「ションベン・ライダー」(相米慎二監督)で映画デビュー。'89年のカンヌ国際映画祭最優秀芸術貢献賞を受賞したジム・ジャームッシュ監督「ミステリー・トレイン」で、全3話中の1話に主演。エキセントリックな役柄から時代劇まで全く違う顔で演じ分け、海外からも注目される個性派俳優。
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