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絶対に退屈させない。 〜横内 謙介インタビュー〜 2004年09月
 
―記録的な猛暑となった、今年7月最後の日曜日。福岡市の福岡女子大学では、100人を超える男女がエアコンのない体育館で歌い、踊り、エネルギッシュな汗を発散させていた。その姿を、壇上から笑顔で見守っていた長身の男性が10月30日から始まる「とびうめ国文祭」の開・閉会式の総合演出を務める横内謙介氏。そして、その目前で稽古を行っているのが、開会式のオープニングフェスティバルのために一般公募で結成された劇団「飛梅組」だった。

 「最初、話をいただいた時は、正直言って『国文祭』がどういうものか知らなかったんです。自分にできるかどうかも分からなかった。麻生福岡県知事から、『過去に前例がないものを、派手にやってください』と言われ、それならばと引き受けることにしました」

―横内氏は東京都の出身だが、小学校時代の3年間を北九州市の小倉で過ごした。母親の実家が小倉だったこともあり、まさに福岡は横内氏にとっての故郷だといえる。

 「一昨年の夏、国文祭の準備のために県内の4ブロック(福岡、北九州、筑豊、筑後)を視察しました。子供のころ小倉に住んでいましたが、これほど広い範囲を回ったのは初めてでした。その時に強く感じたのが、各地でお会いした方それぞれの郷土への思いや、外に対して伝えたい気持ち。そして、各地の文化や歴史というものは、人と人の出会いの中から生まれるものだということです」

―こうして「出会い」というテーマが決まり、そこからオープニングフェスティバルのイメージが膨らんでいった。それを表現するのが、横内氏が”究極の素人集団“という劇団「飛梅組」の面々だ。

 「形ばかりのオーディションは行いましたが、何しろ”やる気があること“というのが条件なので、全員合格ですよ。中には歌えない、踊れない人もいる(笑)。でも、驚いたのが140人くらいとって、80人くらい残ればいいかなと思っていたのが、今日(2回目)の稽古でも120人以上来ています。やはり、福岡の人は祭り好きなんですね」

―オープニングフェスティバルでは、会場となるマリンメッセ福岡を”人生号“という船に見立て、様ざまな出会いのシーンを歌と音楽、ダンスなどのパフォーマンスによってイメージを紡ぎ合わせていく。そして、フィナーレは”人生号“が未来に向けて船出するというドラマチックなストーリーとなる。

  「イメージソング『人生号 Jinsei-GO!』の作曲は甲斐よしひろさんで、作詞は福岡在住のきたやまおさむさん。そして、歌うのは氷川きよしくんと、すべて福岡の人。そのほかにも北原白秋の歌も使いたいと思っていますが、借り物のイメージじゃなくて、福岡が持っているものだけで作品が創れる。やはり、福岡には文化があるんだと思います」

― さらに、韓国と中国からもパフォーマーやミュージシャンを招き、「飛梅組」とのコラボレーションによる異文化との出会いもある。

  「オープニングフェスティバルは一夜限りですが、準備期間から制作過程も含めたすべてが作品だと思っています。絶対に退屈させない”お祭り“にしますよ」

文=江月義憲

横内 謙介
  1961年、東京都生まれ。小学校4年から3年間、北九州市に暮らす。厚木高校在学時に演劇コンクール全国2位。早稲田大学在学時に劇団「善人会議」(現「扉座」)を旗揚げ。'92年岸田国士戯曲賞、'99年大谷賞を受賞。主な作品に「カルメンと呼ばれた女」(蜷川幸雄演出)、市川猿之助のスーパー歌舞伎シリーズ、V6のトニセン青春三部作がある。
 
 
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