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11月号はJR列車内で
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このホームページは車内月刊誌プリーズをもとに制作されています。
 魁皇 〜気力の続く限り。〜 

2006年11

 

―その腕力は角界随一。特に右手の握力は凄まじく、握力計の針が振り切れるといわれるほど。左四つに組んでからの右上手投げ、小手投げの破壊力は、多くの対戦相手を震え上がらせてきた。その反面、土俵を下りてからの顔は柔和で、屈託のない笑顔で周りの人間と接する。大関・魁皇関は、まさに「気はやさしくて力持ち」を地でいくようなキャラクターで、ファンから愛されている。
 子どものころから体が大きくて、中学3年で身長180センチ、体重100キロを超えていた。地元の相撲大会に出場していたこの逸材を、相撲関係者が見逃すはずはなかった。

 「最初は相撲部屋を見学に来ないかって言われたんですが、相撲取りになるつもりはありませんでした。それが、いつの間にか周りで話が決まっていて、入門したてのころは相撲が嫌で仕方なかった。新弟子検査でさえ落ちればいいと思ってました」

―’88年三月場所で初土俵を踏むが、まだ魁皇を名乗る前の古賀少年はなかなか稽古に熱が入らなかった。自分の潜在能力に、気がついていなかったのだ。

 「部屋を逃げ出したこともあります。結局1日で連れ戻されるんですが、その時に考えたのが『こんなことでやめて家族に恥をかかせたくない』ということでした。それからですね、熱心に稽古するようになったのは」

―結局、これがきっかけとなった。稽古で体を鍛えれば自分でも力がついていくのが分かる。力がつけば番付も上がり、また稽古をするのが楽しくなる。そうした好循環を繰り返すことによって三段目、幕下で優勝 し、’92年新十両に昇進。晴れて関取となり、四股名(しこな)を『魁皇』とした。翌年、五月場所で新入幕を果たすころには、九州の相撲ファンの間で徐々に魁皇の名が知れわたることになる。

 「九州のお客さんは、特に熱いですから。いつもファンの皆さんからいい刺激をもらってます。九州場所は地元福岡ということもあって、特に気合が入ります」

―新入幕からちょうど7年後の五月場所で初優勝を飾ると、その年の九月場所に大関に昇進。十一月場所では大関として九州に凱旋を果たし、魁皇人気は一気にピークに達した。しかし、豪快な取り口で強さを見せつける反面、このころから腰痛や怪我に悩まされることになる。特に2回目、3回目の優勝の翌場所はいずれも腰痛悪化で途中休場する不運にも見舞われた。

 「相撲を取っている以上、怪我は仕方ないと思っています。怪我を恐れて手を抜くことはできませんから。普段どおりの力が出せれば、結果はついてくると思います」

―今年九月場所も腰痛のため途中休場し、この11月の九州場所は史上最多となる10回目のかど番に臨むことになる。

 「絶対に最後まであきらめたくない。気持ちはまだ衰えていませんから、気力の続く限り、悔いのない相撲を取りたい」

―昨年の九州場所でも、地元の声援がかど番脱出を後押しした。我々の声が土俵に届く限り、その声援を力に代えてくれることを願っている。

文=江月義憲

魁皇 博之(かいおう ひろゆき)
1972年福岡県直方市生まれ。本名、古賀博之。
'88年友綱部屋に入門し、三月場所で初土俵を踏む。
'92年新十両に昇進し、四股名を魁皇とする。
'93年新入幕、その後関脇を13場所連続して務め、 '00年五月場所で初の幕内最高優勝。
次の七月場所で大関昇進を決める。
現在まで幕内優勝5回。敢闘賞5回。
殊勲賞10回は歴代1位タイ。
特急「かいおう」

博多〜直方間を走る特急「かいおう」の愛称は、直方出身である魁皇関にちなんで名付けられました。博多と筑豊地区を結ぶ通勤特急としてご利用いただいております。

大相撲 十一月場所(九州場所)

日時/2006年11月12日(日)〜11月26日(日)
会場/福岡国際センター(福岡市博多区築港本町2-2)

 
 
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