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1月号はJR列車内で
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このホームページは車内月刊誌プリーズをもとに制作されています。
 石丸 謙二郎。 〜人生は旅の中にある。〜 

2006年8

 
―特に熱心な鉄道ファンならずとも、この番組のファンは多いに違いない。テレビ朝日系列でほぼ毎日(地域によって異なる)放送されている『世界の車窓から』は、世界中の列車の旅を手軽に疑似体験できる5分間番組だ。この6月で放送開始から20年目を迎えた長寿番組であり、今までに旅した国は世界69カ国、鉄道総延長60万キロ。その開始当初から番組のナレーターを務めるのが、石丸謙二郎さん。朴訥とした語り口で、すっかり番組の顔ならぬ、「声」として定着している。

 「こんなに長く続くなんて、誰も想像してませんでしたよ。もともと僕は肉体派の役者で、仲間からは”石丸には原稿を読ませるな“って言われてたくらい、ナレーター向きの声でもなかったんです」

―当時、舞台を中心に活動していた石丸さんに白羽の矢を立てたのが、同番組のプロデューサー。企画当初から、ナレーターは石丸さんに決めていたという。以来、1日たりとも休まずに原稿を読み続けてきた石丸さん。

 「一つだけ自慢できることは、この20年間、一度も病気をせずに続けてきたことですね。それを考えると、僕に向いてたのかな」

―無事これ”名馬なり“とは、まさにこのことである。石丸さんの丈夫で頑丈な体は高校時代まで過ごした大分で培われた。父親の転勤で幼稚園から高校卒業まで、大分県内を20回ほど引っ越したという。

 「スポーツはほとんど何でもやりました。特定のスポーツだけじゃつまらないんで、高校では部活にも入らなかった。とにかくジッとしていられないタイプで、気がつくと歩き出していた」

―ある日、突然思い立って温泉に入りに行こうと洗面器を抱えて、大分市内から別府市まで歩き出した。ところが、歩いているうちに勢いがつき、ついつい別府を通り越して湯布院まで歩いてしまう。

 「湯布院に着くともう日が暮れちゃって、温泉が開いてないんですよ。それじゃあと思い、そのまま阿蘇まで歩いちゃった。すると、さすがに丸々1日かかってしまい、阿蘇に着いたらまた日が暮れて温泉が開いてなかった。一体、何をしに行ったんだか」

―ざっと計算しても、大分市内から湯布院までは40キロ。さらに、阿蘇までは80キロある。健脚どころの騒ぎではない。明らかに常軌を逸している。

 「今思うと、エネルギーが有り余ってたんでしょうね。その後、大学で東京に出てからも、山手線に沿って、ぐるっと歩いてました」

―そのエネルギーがやがて出会う演劇に向けられ、つかこうへい氏の劇団で役者デビューを果たす。以来、役者として活躍すると同時にテレビ番組のリポーターなどで、年がら年中、全国を回る毎日だ。

 「一カ所にジッとしていると落ち着かないんですよ。ついこの間も”青春18きっぷ“を使って、長野から新潟に出て福島を回ってきました。”青春“って名前がついてるから若者しか使えないと思っている人が多いけど、あれ別に年齢制限ないんだよね。52歳の僕でも、もちろん使える。『世界の車窓から』やってるから言うわけじゃないけど、ゆっくり、のんびり列車で行く旅が一番贅沢だと思うんですよね。外国なんかでは、ホテルや街中にいるより安全だし」

―まさに生涯青春であり、永遠の旅人である。これからも末永く『世界の車窓から』見える風景を、変わらぬ声で伝えてほしい。

文=江月義憲

石丸 謙二郎(いしまる けんじろう)
  1953年大分県生まれ。
学生時代につかこうへい事務所の舞台「いつも心に太陽を」で役者デビュー。
以降、ドラマ、映画、舞台に出演するほか、 テレビ番組のリポーター、ナレーターとしても活躍中。 趣味のウインドサーフィンは'02年の全日本アマチュア選手権スラロームで3位入賞。
現在はシニアレーシング事務局を立ち上げ、アマチュアレースを主催している。
www.ishi-ken.jp
 
 
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