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このホームページは車内月刊誌プリーズをもとに制作されています。
 みんなの心に届く歌を歌い続けたい。 〜池田 綾子〜 

2006年2

 
―ホームに滑り込んでくる列車とそれを見つめる少年のアップ。その映像の上にかぶさってくる印象的なメロディー。1年以上ロングランを続けている九州新幹線「つばめ2枚きっぷ」のTVCMのワンシーンで流れるメロディーに、聞き覚えのある方も多いと思う。歌っているのはシンガーソングライターの池田綾子さん、楽曲は「僕たちのTomorrow」。伸びやかで透明感のある歌声が、耳に残って離れない。

 「自分の歌で感動してくれる人がいることを知ったとき、初めて本当の気持ちが伝わったんだなと思います。自分らしさを音楽で表現することが、今はとても楽しいんです」

―池田さんは元来クラシック畑の出身。幼い頃から児童合唱団で歌っているうちに次第にオペラに興味を抱くようになり、大学は武蔵野音楽大学の声楽科へ進み、ドイツ歌曲を専攻してウィーン留学まで果たした。

 「最初は姉が入っていた合唱団について行ったのがきっかけです。近所の教会でシスターたちが歌う賛美歌を聴いてすごく感動して『体って楽器なんだ』って思いました。大学では歌曲を勉強していたんですが、大学3年の頃にジャンルにこだわらずに、もっと自分に合う音楽があるんじゃないか?と思うようになった。それで、自分で曲作りを始めたんです」

―曲作りを始めて自宅で最初に録ったデモテープをオーディションに送ると、これがプロデューサーの耳に留まった。大学卒業直後にあれよあれよという間にデビューが決まり、翌年2月にシングル『ヤサシイウタ』をリリースした。

 「なにか運命のようなものを感じました。自分で詩や曲を書くことが私の運命なら、それまでやってきたことがすべて1本の線でつながっていたんだなって」

―九州新幹線つばめのCMソングをきっかけに、昨年から九州でのライブ活動が多くなったという池田さん。特に7月末から8月にかけて行った”駅コンサート“では、博多駅から鹿児島中央駅まで九州を縦断し、JR駅構内での路上ライブを行った。

 「もう本当に改札口の真ん前っていうストリート的な状況の中で歌ったのは、もちろん初めての経験でした。駅はいろんな人が集まる場所なので、聴き手の方の幅も広い。それこそお年寄りからお子さんまで、気持ちをとらえることができるかどうかが心配でした。でも、実際に歌っていると、私の気持ちが伝わっているのが空気で分かりました。音楽というのは一方的に伝えるのではなく、歌い手と聴き手の両方が、お互いに感動を分かち合うものだということを九州で教えてもらいました。また、それが次の曲作りにも生きてくるし、自分の心が自由になった気がします」

―この駅コンサートで感じた想いを、池田さんは『おかえりなさい』という曲にしたため、9月に再び訪れた鹿児島中央駅で初めて歌った。

 「駅コンサートでは、私の歌を聴きに来てくださった方をはじめ、各駅の駅長さんやスタッフの方々など、多くの出会いがありました。そんな皆さんに感謝するとともに、この一つ一つの出会いを大切にしたいという想いを曲に込めました」

―池田さんが九州を訪れるたびに、「おかえり」と温かく迎える人がいて、池田さんはライブを見に来た人々に「おかえりなさい」と歌いかける。一つの楽曲をきっかけに、彼女が「第二のふるさと」とまで呼ぶようになった九州で、そんな関係が生まれたのもまた、運命なのかもしれない。

文=江月義憲

池田綾子(いけだ あやこ)
  1978年埼玉県生まれ。
4歳でピアノを始め、7歳から15歳まで合唱団に所属し、数々のコンクールに出場。
'97年武蔵野音楽大学に入学後、ウィーン音楽大学に留学。
同大学卒業後、'02年2月シングル『ヤサシイウタ』でデビュー。
'04年2月にリリースした5枚目のシングル『僕たちのTomorrow』が九州新幹線「つばめ2枚きっぷ」のCMソングとなる。
'05年7月に2枚目のアルバム『Lunar soup』をリリース。
 
 
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