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あなたへの想い 涙そうそう。 〜夏川 りみインタビュー〜

2005年7

 
―「ティーダのような人」。ある沖縄出身のミュージシャンは、彼女をそう表現する。“ティーダ”とは、沖縄の方言で「太陽」の意味。'01年3月に発売したシングル『涙そうそう』が約3年間にわたってチャート入りするロングセラーとなり、国民的歌手となった夏川りみさん。天性の声と完璧な歌唱力で聴く人を時に圧倒し、時に優しく包み込む彼女の歌には、まさに太陽のような力強さとおおらかさがある。

 「小さい時から唄うのが好きだったし、将来は歌手になりたいと思っていたので、小学校2年生の時から父の指導で毎日2時間は練習していました。友達と遊びたい時もあったけど、練習が終わるまで待ってもらっていました」

―父親の静夫さんは彼女の才能を見抜き、演歌歌手に育てようと、自己流ながらもレッスンを続けた。やがて、9歳の時に地元・石垣の“ちびっこのど自慢大会”で優勝したのを皮切りに、全国各地の大会で賞を総なめにする。

 「コンテストで優勝するのは、素直にうれしかったですね。自分では歌手になると決めていたので、その夢に早く近づきたかった」

―中学1年の時にレコード会社からスカウトされ、上京して受けたNHKのオーディションでは「40年に一人の歌手」と絶賛される。 そして、わずか16歳でデビューするもヒット曲に恵まれず、3年間で3枚のシングルをリリースした後、歌手としての活動を休止。しばらく那覇に住んでいた姉の元に身を寄せることになる。

 「それほど辛いとか、挫折感とかはなかったですね。それよりも、自分の唄いたい歌に巡り会えないことや、もっと多くの人に歌を聴いてもらいたいという思いが強かった。東京にいた頃はなるべく沖縄的な部分は外に出さないようにしていたんですが、那覇でいろんな人に出会って、やっぱり自分には沖縄の血が流れているんだなぁと再確認しました」

―やがて、周囲のすすめもあって再上京し、夏川りみの名前で再デビュー。3枚目のシングル用として出会った曲が『涙そうそう』だった。作詞は歌手の森山良子さん。作曲は同じ石垣出身の3人組グループBEGIN。彼らは夏川さんの姉の同級生でもあり、彼女を妹のようにかわいがっていた。まさに運命の一曲との出会いだった。

 「最初に聴いた瞬間に、唄いたいと思いました。この歌のおかげで、いろんな場所で、大勢の人に自分の歌を聴いてもらうことができました。これからも自分が唄いたい歌を大切にしながら、いろんな場所で唄っていきたい」

―今や日本はもちろん、アジアを代表する歌手として活躍し、秋にはアメリカ公演も決まっている。太陽のような輝きとおおらかさでこれからも彼女の歌は、時に人を癒やし、勇気づけてくれるだろう。

文=江月義憲

夏川りみ
  本名/兼久りみ(かねく りみ)
1973年沖縄県石垣市生まれ。'86年「長崎歌謡祭全国大会」に沖縄県代表として出場、大賞を受賞し日本一となる。'89年12月、星美里の名前で歌手デビュー。'02年『涙そうそう』で「日本レコード大賞」金賞受賞。2005年3月25日〜9月25日開催の「愛・地球博」NHK公式テーマソング『ココロツタエ』がオンエアされている。
 
 
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