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このホームページは車内月刊誌プリーズをもとに制作されています。
故郷は元気になれる場所。 〜黒木 瞳インタビュー〜 2005年5月
 
―すぐ横を矢部川が流れ、窓の外に目をやれば間近に山裾が広がる割烹旅館の1室。豊かな自然に抱かれた福岡県黒木町に、忙しい仕事の合間にしばし帰郷した女優の黒木瞳さんを訪ねた。

 「このあたりはお庭のようなものでした。山にもよく登っていたし、川では母が洗濯をしている横で泳いでいました。今こうして見ても、何にも変わっていません」

―高校卒業までの少女時代を過ごしたこの町には、かけがえのない思い出が詰まっている。

 「八女の高校へはディーゼル車で通っていたんですが、子どもの頃はまだ蒸気機関車が走っていました。そんなのどかな環境の中でのびのびと育ったので、時々危ない遊びをしてはこっぴどく母に叱られたこともあります。ところが今では、私の娘が同じような危ないことをするんですね。『自分も同じことやってたな』と思うと叱れなくなっちゃう。勿論叱りますが、血は争えませんね(笑)」

―子どもの頃から詩を読んだり書いたりするのが好きで、高校時代には演劇部に在籍していたという黒木さん。夢見る少女の多くがそうであったように、宝塚や女優への憧れを抱いていた。

 「でも、それは夢物語の世界で、将来は音楽の先生になろうなんて、結構堅実な人生設計を描いていたんですよ」

―しかし、高校生活最後の記念にと、父親に内緒で受験した宝塚音楽学校に見事合格し、2年後には宝塚の舞台に立つことになる。

 「合格したのは本当にラッキーでした。将来に対する不安なんてまったくなくって、まさに怖いもの知らずでしたね」

―宝塚退団後は映画をはじめ、テレビドラマ、演劇、ミュージカルなど幅広い分野で活躍。女優活動のほかにも詩集やエッセイの著作、絵本の翻訳など、多彩な才能を発揮している。そんな忙しい中、コマーシャルの撮影などで故郷の九州を訪れるのは、黒木さんにとってもリフレッシュになるという。

 「九州は故郷ですから親近感があるし、思い入れもあります。帰郷する時は、娘も必ず一緒です。こんな豊かな自然に触れる機会は、東京ではまずありませんから。”つばめ“のコマーシャルのお仕事では、私の知らない九州のいろんな場所に行かせていただきました。おいしいものが食べられることも旅の大きな楽しみの一つですが、先日鹿児島で食べた黒豚のトンカツとしゃぶしゃぶもおいしかった。皆さんも、『もっと、つばめに乗ってね!』って感じです」

―今年は芸能活動25周年となる節目の年。3月末からNYに渡り、ブロードウェーでダンスのレッスンを受け、5月には全国4カ所でトーク&ダンスショー「Muse more〜女神よさらに〜talking&dancing」の公演を行う。幼い頃から現在に至るまでのスライド上映を交えたトークショーは、おそらくこれが最初で最後になるという。

 「今回の公演は福岡だけですが、いつか九州各県に行けるといいですね。また新しい出会いがあることを楽しみにしています」

―帰郷してリラックスした雰囲気の中、いつまでも夢見る少女の瞳でそう語ってくれた。

文=江月義憲

黒木瞳
  福岡県八女郡黒木町生まれ。八女高校卒業後、1979年宝塚音楽学校入学。宝塚歌劇団入団後、わずか2年で月組トップスターとなる。'86年『化身』で映画初主演、'97年に主演した『失楽園』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞し、最近では『東京タワー』が大ヒットとなる。
 
 
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